コロナショックを生き抜くためのフリーランス個人事業主向け支援

今回の新型コロナウイルス感染症による経済への影響は甚大で、多くの企業が窮地に立たされています。

本来であれば仕事上の影響は自己で負うとされる立場の、フリーランスや個人事業主であっても、自己責任とはいえ経済的な困窮という逆境を乗り越えるのが難しいケースもあるため、フリーランスや個人事業主を救済するための様々な支援や制度の立案が現在進行形で進められています。

この危機を乗り切るためには、制度があること自体をまず知り、利用できるものを積極的に利用していくことが重要です。

本記事では、フリーランスや個人事業主が利用できる支援にどのようなものがあるかを給付金と貸付金・融資に分けてご紹介します。

なお、各制度は日々更新されておりますので、申込の際には必ず実施団体の最新情報をご確認ください。

 

 

支援金

まずは支援金についてご紹介します。支援金のため返済の必要はありません。

 

持続化給付金

持続化給付金とは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、特に大きな影響を受ける事業者に対して、 事業の継続と再起のために支給される給付金です。
個人事業主であれば最大100万円まで支給されます。
ゴールデンウイーク明けには支給を開始する予定とのことです。
詳細は4月最終週を目処に公表予定となっていますが、2020年4月27日現在では、まだ申込の受付は始まっていません。申請に必要な書類等を準備して受付開始に備えましょう。

給付額 ・個人事業主は100万円まで(法人は200万円)
※ただし、昨年1年間の売上からの減少分が上限
支給対象 ・新型コロナウイルス感染症の影響により、 売上が前年同月比で50%以上減少している者
・資本金10億円以上の大企業を除き、 中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランス を含む個人事業主
また、医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉 法人など、会社以外の法人についても幅広く対象
申請に必要な情報 個人事業主の方の場合
①住所
②口座番号
③本人確認書類 (※様式は問わない)
④2019年の確定申告書類の控え
⑤減収月の事業収入額を示した帳簿等
※今後、変更・追加の可能性あり
申請方法 Web上での申請を基本とし、必要に応じ、感染症対策を講じた上で 完全予約制の申請支援(必要情報の入力等)を行う窓口 を順次設置します。
※申請にあたり、GビズIDを取得する必要はありません。

持続化給付金に関するよくあるお問合せ(経済産業省)
持続化給付金パンフレット(経済産業省)

 

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)

こちらの支援金は小学校等が感染症拡大防止のため臨時休業した場合等に、子どもの世話を行うために仕事ができなくなっている保護者を支援するために創設されました。
2020年2月27日から6月30日までの間において、就業できなかった日、1日あたり4,100円(定額)が支給されます。申請期間が延び、2020年9月30日までとなりました。
春休みや休校日など学校が元から休みの日は対象外です。
詳細については公式の最新情報をご確認ください。

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(厚生労働省)

 

貸付金・融資

これから紹介する「貸付金」及び「融資」は “借りる”お金であり、給付金や助成金と違い返済の必要があります。
貸付金と融資には「据置期間」と「償還(返済)期間」というものがあります。据置期間とは、元本の支払いをしなくてもよい期間のことです。ただし、この間も通常は利息分の金額を払う必要はあります。また、償還期間とは、返済をしなければいけない期間のことです。

今回ご紹介する貸付金の中には、利息が実質免除となるものや、返済が難しい場合の返済免除が可能なものもあります。
それでは順番に見ていきましょう。

 

「緊急小口資金」、「総合支援資金」

こちらの2つは厚生労働省が実施している貸付で、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ特例措置が設けられ、貸付が拡大しました。
無利子での貸付が可能であり、返済ができなかったときのための償還免除も用意されています。
緊急小口資金と総合支援資金は重複での貸付も可能なため、最大で80万円の貸付が可能です。
それぞれ順番に説明していきます。

 

「緊急小口資金」

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯が対象です。
貸付金額は通常10万円以内ですが、学校等の休業や個人事業主等が世帯にいること等特別な場合は20万円以内になります。
詳細は厚生労働省が出している情報をご覧ください。

生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付の運用に関する問答集(厚生労働省)

 

「総合支援資金」

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯が対象です。

緊急小口資金 総合支援資金
対象者 一時的な資金が必要な方(主に休業された方) 生活の立て直しが必要な方(主に失業された方等)
上限 ~10万円

(特別な場合:~20万円)

(単身)~15万円/月

(2人以上)~20万円/月

原則3カ月まで

据置期間 ~1年 ~1年
償還期限 ~2年 ~10年
貸付利子 無利子 無利子

(表が切れている場合は横にスライドするとご覧いただけます)

償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税の世帯には償還の免除ができるとしています。

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた生活福祉資金貸付制度における 緊急小口資金等の特例貸付の拡大について(厚生労働省)
 

新型コロナウイルス感染症特別貸付

日本政策金融公庫による、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に業況悪化を来している方が対象の貸付です。

最大6,000万円の貸付金のうち3,000万円については、(条件を満たす場合)3年間無利子で借りることができるので、かなり条件の良い貸付と言えるでしょう。

対象者 新型コロナウイルス感染症の影響で一時的な業況悪化を来している方で、次の1または2のどちらかに該当し、かつ中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方

 

1、最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方

2、業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している方

(1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含む)の平均売上高

(2)令和元年12月の売上高

(3)令和元年10月から12月の平均売上高

資金使途 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする設備資金および運転資金
融資限度額 6,000万円(別枠)
利率(年) 基準利率

ただし、3,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%※、4年目以降は基準利率

ご返済期間 設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内)

運転資金 15年以内(うち据置期間5年以内)

担保 無担保
新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)

 

実質無利子化について

一部の対象者については、現在詳細検討中の「特別利子補給制度」という制度と併用することで、当初3年間、3,000 万円を限度に実質無利子化が可能です。個人の小規模事業者であれば要件なしで利用できます。詳細は以下をご確認ください。

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」の併用による実質的な無利子化融資のご案内(日本政策金融公庫)

 

なお、上記の新型コロナウイルス感染症特別貸付は商工中金でも行っておりますが、融資先は商工中金の株主とその組合員の方を対象としているため、日本政策金融公庫の制度よりもハードルが高いかもしれません。

商工中金による新型コロナウイルス感染症特別貸付については以下をご確認ください。

商工中金の危機対応業務 ~新型コロナウイルス感染症の影響を受けている 中小企業の皆さまへ~(商工中金)

 

セーフティネット4号、セーフティネット5号、危機関連保証

セーフティネット保証制度とは日本が危機的状況になった際に発動される制度で、1号から8号まであります。
現在発動されている、新型コロナウイルス感染症に関わるものは4号と5号になります。

 

セーフティネット保証4号

自然災害等(今回は新型コロナウイルス)により経営の安定に支障のある指定地域の中小企業者を対象に、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の 100%を保証する制度です。現指定地域は47都道府県(全国)となっています。

セーフティネット保証4号の概要(経済産業省)

 

セーフティネット保証5号

全国的に業況の悪化している指定業種に属しているために経営の安定に支障がある中小企業者を対象に、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で80%保証を行う制度です。

指定業種は2020年4月27日現在、738業種となっています。ただし、今後の方針として指定業種を全業種とし、これまで保証の対象外とされていた業種についても見直す予定となっています。

今現在の指定業種については以下のリンクをご確認ください。

指定業種 (経済産業省)

セーフティネット保証5号の概要(経済産業省)

 

 

危機関連保証制度

危機関連保証制度は大規模な経済危機や災害等により、売上高等が減少している中小企業者を支援するために発動される措置です。

新型コロナウイルス感染症の影響により、先に説明したセーフティネット4号と5号の発動に加え、危機関連保証制度の発動が決定しました。危機関連保証制度が発動されるのは今回が初めてとなります。

危機関連保証の概要(経済産業省)

 

セーフティネット4号と5号及び危機関連保証の違いを簡単にまとめました。

セーフティネット4号 セーフティネット5号 危機関連保証
対象 指定地域 指定業種 全国・全業種
対象者 最近1か月間の売上高が前年同月に比して20%以上減少 最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少 最近1か月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少
保証割合 100%保証 80%保証 100%保証

(表が切れている場合は横にスライドするとご覧いただけます)
 

セーフティネット4号・5号は、通常の保証限度額(2.8億円)とは別枠の、セーフティネット保証限度額(2.8億円)内で保証が受けられます。 4号と5号は併用も可能ですがセーフティネット保証の枠は同じです。

また、危機関連保証はさらに別枠の危機関連保証限度額(2.8億円)が受けられることが特徴です。

出典:https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

 

その他

その他、フリーランスや個人事業主の方に役立ちそうな情報をご紹介します。

 

個人事業主・フリーランスへの影響を最小限に抑えるために発注事業者への要請

個人事業主・フリーランスを保護するために、発注事業者に対して取引上の適切な配慮を行うよう、経済産業省大臣、厚生労働大臣、公正取引委員会委員長が連名で要請しました。

 

要請内容

・新型コロナウイルス感染症を理由に、個人事業主・フリーランスとの契約を変更する場合には、十分に協議した上で報酬額や支払期日等の新たな取引条件を書面等で明確化するなど適正な対応を行うこと

・新型コロナウイルス感染症により影響を受けた個人事業主・フリーランスが、事業活動を維持・再開させる場合、できる限り従来の取引関係を継続すること

・個人事業主・フリーランスから、発熱等の風邪の症状や、休校に伴う業務環境の変化を理由とした納期延長等の求めがあった場合には、十分に協議した上で、できる限り柔軟な対応を行うこと

 

新型コロナウイルス感染症により影響を受ける個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮について(経済産業省)

 

あくまで要請なので、法的な力を持っているわけではないですが、国が正式に発表しているということを知っておきましょう。

また、発注元が上記のようなことを守ってくれない場合は次に説明する下請け寺を利用することも可能です。

 

下請かけこみ寺

中小企業・小規模事業者の取引上のお悩みを相談員や弁護士に相談することができます。

相談は無料で、秘密厳守、匿名相談も可能となっています。

発注元が書面での対応を行ってくれない、一方的に契約を解除された、など取引上で困ったことがある場合の相談先としてご利用ください。

下請かけこみ寺事業(公益財団法人 全国中小企業振興機関協会)

 

国民健康保険の保険料の減免

新型コロナウイルス感染症の影響により、一定程度収入が下がった方々等に対して、国民健康保険が減額、または免除となります。

以下の①または②に該当する方が対象です。

①新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者が死亡または重篤な傷病を負った世帯

②新型コロナウイルス感染症の影響により、主たる生計維持者の事業収入等の減少が見込まれ、次のⅰからⅲまでの全てに該当する世帯

ⅰ 収入の減少額が前年の当該事業収入の10分の3以上である

ⅱ 前年の合計所得金額が1,000万円以下である

ⅲ 減少することが見込まれる事業収入に係る所得以外の前年の所得の合計額が400万円以下である

 

詳細は以下をご確認ください。

新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援について(厚生労働省)

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付申請無料支援

税理士法人BlueWorksTaxによる、フリーランスまたは1人会社の方を対象に、融資申請の無料支援を実施するサービスです。リソースの兼ね合いで申請者多数の場合は希望に添えない場合があるようですが、自身での対応が難しいという方は相談をしてみると力を貸してもらえるかもしれません。

新型コロナウイルス感染症特別貸付申請無料支援(税理士法人BlueWorksTax)

 

 

まとめ

フリーランスや個人事業主の方が利用できる支援には、たくさんの種類があると感じていただけたのではないでミィか。
調べてみるとここで紹介したもの以外にも、本当にたくさんの人達が困っている人を助けたいという意思を持って、様々な方法で支援を行っていることが分かったミィ。

まだ、申込が開始していない制度や詳細が確定していないものもあるミィが、各団体は一刻も早く支援をするために急ピッチで体制を整えているミィ!
申込が始まるまでに自身が利用できる制度を調べ、必要な書類を揃えておくと良いミィ。
また、窓口が大変込み合うことが予想されるミィが、感染リスクを抑えるためにも可能な限り、電話やオンラインでの相談口の利用をおすすめするミィ。

仕事上の売上の減少が生活に直結しやすいフリーランスや個人事業主の方にとって、昨今の経済状況は会社員以上に深刻だと思うミィが、多くの救済措置をうまく使いながら危機を乗り越えていこうミィ!
少しでも皆様の助けになれば幸いだミィ。

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